倉木真二のブログは終了いたしました。
13年間、ありがとうございました。










2019年04月28日

MOIについて

【読者様からの質問】
「私はゴルフにはバランスか?重量フローか?と問われると重量フロー派なのですが、MOI値理論のHPを拝見します。初心者程MOI値は大切だと説いてるのですが、初心者にベストのMOI値などわかるものでしょうか?」



【倉木真二の回答】
MOI値とはおそらくグリップエンドを支点としたクラブの慣性モーメントの事だと思いますが、初心者にベストなクラブ全体の慣性モーメントというものはありません。
ざっくり言うと、基本的に

・パワーが大きいほど慣性モーメントは大きめ
・ダウンスイング時にクラブの慣性モーメントを低くすることができる技術(簡単に言うとダウンのタメと抵抗の少ないリリース)を修得しているほど慣性モーメント大きめ

が向いている傾向にあります。
いわゆるMOI値も大切ですが、全番手のMOI値をそろえつつ、スイングバランス、シャフト剛性の流れまでもバランスよく合わせるのは現実的に難しくなります。
MOI値を揃えることだけに注目すると他の要素が悪化し、結果的に流れの良いセッティングにならないからです。
MOI値を揃えつつ、シャフト曲げ剛性のフロー、バランスのフローまでも揃える事は現状のアイアンヘッドの重量フロー、シャフト重量フローでは実現しにくいのが現状です。
しかし、MOIを揃えたからといって驚くほどクラブが打ちやすくなるということもありません。
例えば、MOIを揃えるとロングアイアンが打ちやすくなると考えているゴルファーが多いのですが、特別、打ちやすいものに化けると言うこともありません。
ロングアイアンが難しいのは単純にロフト角、ヘッド形状、クラブの長さにあります。
特に重要なのはロフト角です。
ロングアイアンが難しいのはロフト角が少ないという単純な要素が最大の原因です。
例えば3番アイアンと同じロフト角でもロフト角が大きくなると打ちやすくなります。
さらに3番アイアンよりも長くロフト角は同等であるにも関わらずウッドの方がやさしいと感じるのはヘッド形状、重心の違いが大きいのです。
結局のところ、神経質になってMOIを揃えようとしても現状のゴルフクラブの状況では他の要素が狂いますから、MOIを揃えようと意識することに特に大きなメリットはありません。

一般的な考え方のクラブ重量フロー、スインスバランスフローでクラブセッティングをすれば大きな問題はありません。
その際、グリップ重量を揃えた方がフィーリングが揃いやすいという事もあります。
重量フローばかり見てもダメです。
極端な話、

1.グリップ重量50g、シャフト重量50g、ヘッド重量200g
2.グリップ重量100g、シャフト重量100g、ヘッド重量150g

の2つのクラブがあり、1は300g、2は350gですが、
実際の重量感が重いのは圧倒的に1のクラブになります。
重量は手元から遠い部分のものほど重さ感が増します。
これがクラブ全体の慣性モーメントの考え方です。
なので、総重量ばかりに注目してグリップ、シャフト、ヘッドの部品重量を考えない、というのは問題です。
そのため、少なくともグリップ重量、シャフト重量、スイングバランスだけ把握していれば、総重量フローを重視しても問題ない場合が多くなる、ということになります。
(クラフトマンレベルになるともっと多くのことに気を配る必要があるのは当然ですが)

スイングバランス理論の否定も増えています。
確かにスイングバランス理論はシャフト、グリップ、ヘッド重量のバリエーションが乏しかった時代の理論なのでバリエーション豊富な現代では意味が無いという意見もあるのですが、それでも尚、馬鹿にできる要素ではありません。
もちろん、シャフトの重心ポイント、シャフト重量、グリップ重量によっても変化しますから非常に優れているか、と言われるとそうでもありませんが、重量フローとスイングバランス、2つを揃えつつシャフト選択、カット方法に気を配れば、結局、それなりに良い流れに仕上がります。
あまり神経質になる必要は無いということです。
MOIにしてもそれほど大きな要素ではないのです。
それよりも優先して考慮した方が良い要素は他に沢山あります。
クラブ重量のフローはグラフにした時、一直線になるのは基本的に良い流れにならない可能性が高いです。
アイアンであれば0.5インチで7gフロー、ウッドであれば0.5インチで5gフロー程度、スイングバランスをある程度揃え、グリップ重量は全番手揃える。
可能であればウッドの方は少し(2〜3g程度)軽くする。
シャフトグリップの口径を考慮すると、そのくらいの重量差が出ることが多いです。
ウッドのシャフト重量が軽いのはクラブの長さに対するヘッド重量が重いためです。
つまり、クラブMOIが大きくなりすぎてしまうためです。
アイアンの流れで言うと45インチのドライバーのヘッド重量は150g程度が妥当なのですが現実は200g程度です。
するとクラブMOIが大きくなりすぎてしまいますからシャフト重量を軽くしてクラブMOIを低くして全体の流れを整えます。
そうやってもドライバーが最もMOIが大きくなってしまいます。
このMOIを低くするためにヘッド重量を軽くし、スイングバランスを低くするという発想は有効だと思いますが、シャフトの剛性も考慮する必要があります。
結局の所は比較的一般的な重量フロー、シャフトフローでクラブセッティングすれば大きな問題はなく、それほど神経質になることも無いということになりますが、多少は考慮した方が良いとも言えます。

因みにリシャフトやオーダーなどでクラブを作る場合は調整をすることができますから、私はクラブ全体の慣性モーメントも考慮してクラブを組み立てますが、慣性モーメントを最優先にしたセッティングにすることはなく、トータルで見るという考え方です。
これが最もバランスが良く、良い結果になると感じています。
1点に教条的になるのはマズイということですが、グリップエンドを支点としたクラブ全体の慣性モーメントという視点も、とても良いものだと考えます。

総重量フロー派、スングバランス派、MOI派、というもののどれが正しいかということではなく、この3つのバランスを考慮してクラブの重量感フローを考えることが大事です。
結局は偏った考えはダメで、バランスが大事と言うことです。
加えて重量感はシャフトの曲げ剛性に及ぼす影響もありますので、その点を考慮して加工する必要があります。
クラフトマンレベルでは、グリップ重量、シャフト重量、ヘッド重量、シャフトカット方法、クラブの長さ、スイングバランス、振動数、センターフレックス、曲げ剛性分布、クラブ全体の慣性モーメントなど、複合的に考える必要があるということです。






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