倉木真二のブログは終了いたしました。
13年間、ありがとうございました。










2013年01月23日

アイアンシャフト選びのご相談です


【質問】
「初めてご質問させて頂きます。
自分に合ったアイアンシャフトがなかなか見つからずにともて悩んでいます。
宜しくお願い致します。

<プロフィール>
年齢:41歳
性別:女性
平均スコア:80
ヘッドスピード(ドライバー):42m/s
平均飛距離(ドライバー):230〜240y
競技ゴルフをやっています。
スイングタイプ:ゆっくり

以前はJPX E500 FORGED:NS950(S)バランスD0を使用しておりましたが、
弾道が若干低いのと溝規制等の問題もあったので、現在はMP53:NS950(S)D2を使用しております。
シャフトはミズノのフィッティングにて選定して頂きました。
十分に振り切れるのですが、元々、腰痛持ちということもあって、自分としては
もう少し軽く体に負担の少ないカーボンシャフトにしたいと思っています。
(NS850なども試してみましたが、タイミングが合わずにダメでした)
そこでツアーAD75、85、95やランバックス7E05、9E05等色々なクラブを試打してみましたが、
どれも振りやすいのですが、飛距離やHS等の測定データは殆ど変わりません。
一般には軽いのを振ればHSは若干上がると思いますが、逆に重たい方が僅かですが、
HSは上がっていました。
自分では70〜80g程度のシャフトにして、軽くなった分HSが上がって若干の飛距離UPと
体への負担軽減を望んでおりますが、今より良い結果が出ないためリシャフト出来ないでおります。
どのようなことが原因として考えられますでしょうか。
自分ではバランスが少しある方が振りやすいタイプだと思います。
本当に悩んでおりますので、何かアドバイスが御座いましたら宜しくお願い申し上げます。 」




【回答】
質問者さんレベルになると、クラブ選びは大変になります。

もはや「荒削り」というレベルではないからです。

何かを変えるためには、小さな削りを積み重ねなければならないレベルです。

劇的に変わるということが、少なくなっていきます。

そういった意味で、クラブ選びが難しくなっていきます。

「軽いカーボンでもヘッドスピードがほとんど変わらない」

ということですが、これは、本当に突き詰めてフィッティングすると、そうはなりません。

たいていの場合、シャフトが軽くなるほど、ヘッドスピードは上昇します。

例えば、私がゴルファーのシャフトフィッティングをする場合、少なくとも3〜4時間かけます。

休憩を取りながら測定&説明し、球数も、相当、打ってもらいます。

1日では決まらず、何日かに分けてフィッティングをすることも多々あります。

商売としては効率が悪く、私とお客さん、双方にとって、負担は大きいです。

しかし、そのほうが、結果的に、近道です。

トリカゴで打ってもらうだけではなく、実際に練習場などで測定器を持ち込んでフィッティングをすることもあります。

そうやって時間をかけ、球数をかなり打ってもらうことで、統計で言う「有意差」が生まれてきます。

そうすれば、必ず差が出てきます。

しかし、質問者さんレベルとなると、その差はごくごく小さなものになります。

99gのスチールから70〜80g台のカーボンに変えるだけでは、劇的な変化は現れません。

本当に小さな差です。

また、飛距離はヘッドスピードだけでは決まりません。

ボール初速、バックスピン量、打ち出し角度の3点が重要です。

たとえカーボンにしてヘッドスピードがアップしても、打ち出し角度が上がり、バックスピン量が増えることで、飛距離が低下する場合があります。

NS950は意外と弾道が低めになるシャフトですから、かえって飛距離が出るということもあります。
(だからこそ、ヘッド先行の手打ちゴルファーに良い結果をもたらした、とも言えます)

そういうことを、トータルで考える必要があります。

・バックスピン量と打ち出し角度を増やしつつも、今と同じ飛距離を出したい
・ボール初速もさらにアップさせたい

今、打っている弾道の何が不満で、どうしたいのか。

そして、どうすれば、その目的を達成できるのか。

そういう部分を突き詰めて、明確にすることで、対策も打ち出せます。

例を挙げると、質問者さんの場合、弾道の高さを求めるためにMP53を選択したとのことですが、これは正しいです。

JPX E500 FORGEDはシャフト長に対してロフト角が立ちすぎていますので、弾道は低くなります。

さらに、MP53のヘッドで、飛距離を伸ばしたいと考えているのであれば、打ち出し角度とバックスピン量はあまり犠牲にできない(低くはしたくない)と考えているはずです。

その上で飛距離をアップさせるにはどうしたら良いか。

打ち出し角度、バックスピン量をほぼ変えずに飛距離をアップさせるには、ボール初速をアップさせることです。

ボール初速をアップさせるためには、

・効率を上げる
・ヘッドスピードそのものを上げる

の2つの方法があります。

効率を上げるということは、摩擦が低下するということです。

摩擦が低下するということは、バックスピン量が低下します。

つまり、弾道が低くなります。

ここでバックスピン量の低下を受け入れて弾道を高くしたいと考えるならば

・打ち出し角度を高くする

という方法が唯一となります。

その場合、スイング軌道がアッパーに近くなるので、ダフリ、トップが出やすいというデメリットを受け入れる必要が出てきます。

それが嫌なら、低弾道を受け入れるか、バックスピン量の減少によるボール初速アップ(効率でボール初速を上げる)は断念しなければなりません。

そうなると、残る方法は

・ヘッドスピードそのものを上げる

となります。

倶楽部によるヘッドスピードそのものを上げる方法は

・軽くする
・長くする

の2つです。

軽くするデメリットは、スイングテンポが不安定になる傾向に進むということです。

長くするデメリットは、操作性の低下です。

個人的には、質問者さんが望むほどの変化を出したい場合、70g台のカーボンをスイングバランスが許す限り、0.25〜0.5インチ程度、長くする、という方法が良いように感じます。

これならば、ヘッドスピードアップは確実に達成でき、かつ、打ち出し角度とバックスピン量は確保出来ます。

シャフトを長くすることで打ち出し角度とバックスピン量は増えますから、高さが確保できるなら、ロフト角を1度立てても良いと考えます。

そうすれば、さらにボール初速アップと打ち出し角度、バックスピン量の低下による飛距離アップが望めます。

スイングタイプがゆったりということであれば、少しくらい長くても振り遅れることは無いと考えられます。

が、実際にスイングを見ていないので、なんとも言えませんので、参考程度に留めてください。

何をするにしてもデメリットはありますが、それは表裏一体です。