倉木真二のブログは終了いたしました。
13年間、ありがとうございました。










2009年09月06日

ゴルフクラブの選び方のご相談です。

【質問】

「はじめまして。


中古で買ったミズノのT−ZOID

(3I〜PW、セットで15,000円)でゴルフを始めて、

4年が経ち驚異の上達法を読みながら、日々試行錯誤ているなか、

現在、アイアンの買い替えを検討しています。


様々な雑誌で、最近のクラブは

「簡単に打てる」「誰でもまっすぐ飛ぶ」

と書かれており、

ショップの試打でも確かに打ちやすく非常に魅力的なのですが、

その一方で先日の質問の中で倉木さんが返答していた中に


多くのゴルファーのニーズを考慮して作られたクラブは

売れますけどゴルファーを上達させる、

と言う観点でみると欠陥品です

という言葉がありました。


目先のスコア?

を考えれば、当然「打ちやすい」「曲がらない」

クラブを選ぶのでしょうが、

将来的なスコア?を考えれば

「ゴルファーを上達させる」クラブを選ぶべきかと考えています。


どんなクラブが「ゴルファーを上達させる」

クラブなのでしょうか?


是非、教えてください。」

 
 
 
 
【回答】
上達を妨げないアイアンの結論から申し上げますと


・最適な重量

・最適なライ角

・最適なロフト角


のアイアンを使用する事です。


最適な重量はマニュアルにも書いてるのですが

目安として

ドライバーヘッドスピードが42m/sの場合、

5番アイアンで400g程度になります。


ヘッドスピードに応じて

重量は変化させる必要があると言う事です。


軽過ぎるアイアンを使用すると

小さな筋肉でスイング出来ます。


つまり、手でスイングしてもクラブが振れるので

手打ちになります。


振りきれる範囲で重めが最適です。


次に最適なライ角についてですが、

これは身長、スイング軌道によって

インパクト時のライ角が変化するので、

それに対応したライ角に設定する必要があると言う事です。


身長が低くなればライ角はフラットに、

高くなればアップライトに、

スイング軌道が横振り(ドロー打ち、フックグリップに多い)

になればライ角はフラットに、

スイング軌道が縦振り(フェード打ち、スクエアグリップ、ウィークグリップに多い)

になればライ角はアップライトへ変化します。


こうしたインパクト時のライ角は

弾道測定器が設置されているゴルフショップなどに行けば

計測する事が可能です。


その数値に基づき、

ライ角を調整する事が大事です。


但し、極端な数値に合わせることは良く有りません。


基準値として

5番アイアンで59°〜62°程度が

妥当なライ角です。


所が、極端な縦振りの方の場合、

(手打ちのアウトサイドイン軌道の方に多い)

インパクト時のライ角が

66°などと、かなりアップライトになっている事も有ります。


身長が170cm未満でも、です。


こうした数値が出た場合、

単純にこの数値と同じライ角に調整してしまう事は良く有りません。


間違ったスイングにライ角を合わせてしまうと

間違ったスイングを行う事で、

取りあえず真っ直ぐ飛ぶ、

と言うクラブになってしまうからです。


正しいスイング軌道を作り、

基準値の範囲内のインパクトライ角を作ることで

真っ直ぐ飛んで行くクラブでないと

スイングが改善されません。


なので、59°〜62°程度の範囲内を

一つの基準値として調整されてください。


そして、このライ角のピッチが

番手毎に綺麗に揃っている事も大事です。


市販のアイアンで、

吊るしの状態で綺麗に揃っているものはまず有りません。


なので、購入後に直ぐ調整することをお勧めします。


また細かい話になってしまうのですが

キッチリとライ角調整出来るクラフトマンと

その調整器具を使用している工房は

実はかなり少ないです。


そこまで気にし出したらキリがないので、

まずは自分のインパクトライ角を考慮して

ライ角のピッチを通常の工房で揃えてみて下さい。


軟鉄鍛造のアイアンは基本的にネックを曲げて

ライ角調整が可能です。


ステンレス鋳造アイアンは

その大半は曲げられないので

まずおススメしません。


最近のハイテクアイアンの大半は

ステンレス鋳造です。


鋳造の方が、設計自由度が高いので

様々な形状のアイアンが作れるので

鋳造が多いですね。


最後にロフト角ですが、

これは5番で27°以下のモデルは

どれも使用しない方が良いです。


最近の売れているクラブは

5番アイアンでロフト24度、

長さ38インチと、

従来の4番アイアンに5番と刻印を打っているだけです。


酷い物になると

9番アイアンの次に10番アイアンを設定し、

その次にPWを設定している物も有ります。


単純に、ソールの刻印の番手を1個減らしただけです。


なぜこんな下らないクラブが売れるのかと言うと

結局、多くのゴルファーが見栄張りだからです。


ライバルよりも小さい番手で飛ばしたい、

と言う思考が有るからなのでしょう。


こう言ったアイアンは、

結局弾道が低くなって飛んでいるだけなのです。


確かに重心設定、素材の工夫などで

ボールが上がり易くなっています。


しかし、現実に打ち出し角度、

バックスピン量などのデータを取ってみると

低くなり過ぎています。


なので、こうした過剰にロフトが立ったモデルは

使用しない事です。


因みに、芯が大きい、ボールが上がり易い、

と言う機能自体は非常に良いと思います。


芯が小さいモデルで練習しなくても

芯の大きいモデルで真っ直ぐ打てる練習をしていれば

それで十分です。


芯の小さい、マッスルバックを使用するメリットは


微妙なボールコントロールが出来る事、

打感が良い事です。


スコアにこだわるのであれば、

マッスルバックのメリットよりも

キャビティのメリットを享受した方が

良い結果が出るでしょう。


「芯が大きいクラブでは上達しない」


などと言う指導者がいますが

はっきりいってスイングと道具の関係を分かっていません。


再度まとめると


・最適な重量のアイアンを使用する

・最適なライ角のアイアンを使用する

・5番で27度以下のアイアンは使用しない


と言う事です。


最近売れているアイアンの特徴は


・必要以上に軽く

・スライスさせないためにアップライトになっていて

・飛距離を出す為に5番で24°程度のロフト角


になっています。


何もかも悪影響ばかり。


ゴルファーをダメにする薬がふんだんに盛り込まれています。


でも、多くのゴルファーが望んでいるのは

上達を妨げるようなアイアンなのです。


軽いアイアンがウケるのは

手打ちのゴルファーにとって

軽いアイアンは非常に振り易いのです。


ボディーターンが出来るゴルファーにとって、

軽いアイアンはタイミングが取りにくく

タメを作りにくいクラブです。


極端にアップライトなアイアンは

手打ちで極端な縦振りゴルファーの

スライスを防止します。


正しいスイングプレーンのゴルファーが打てば

引っかかってしまいます。


ロフト角が立って飛ぶアイアンは

距離感がつかみにくい、

グリーンで止まりにくいアイアンです。


企業の目的は利益を上げる事ですから、

ニーズのあるものを売る、

これは商売の鉄則なのでしょう。


しかし、上達に悪いと分かっていても

売れるから作るメーカー、

自分の腕を棚に上げ、出来るだけ楽して良い結果を出したい

アベレージゴルファー。


ゴルフクラブは、ここが最も大きい市場になっていますので

メーカーとしても外せない所なのでしょう。


そんな中でも

拘りを持って、上達する為のアイアンの条件を

頑なに守ってきたメーカーも有ります。

(最近、流行に負けたのかアベレージゴルファーの

 ニーズに合わせた物を作ってしまいましたが…)


ニーズに合わせるだけではなくて、

そのニーズ自体、毒なんだと言う事をキッチリと伝えて

本当に上達できるアイアンは、

こう言うものなんだ、

楽をし過ぎてはいけない、

と、本当の事を一生懸命に主張している

本物のメーカーも有ります。


そう言うゴルファーの上達を第一に考えたメーカーが、

正しさを求めたメーカーが報われる時代が

いつか訪れてほしいと思います。